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地域の宝をつないで1

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福井県鯖江市

◆ふるさとの味「川島ごぼう」を絶やさないために
消えゆく伝統の味をつなげていきたい―。国や県の調査によると、野菜の消費量は全体として減少している上、生産者の高齢化や労働力不足、生野菜の輸入増加による価格低迷などを背景に、県内の野菜栽培面積や生産量は減少傾向にあります。
そのような中、市内でも農家数の減少や農業の大規模化に伴い、古くから地域に根差してきた野菜の生産量は年々減少しています。「川島ごぼう」もそのような野菜の一つ。市東部の川島町で昭和初期頃から鞍谷川流域の砂混じりの土地を生かしたごぼうの生産が始まり、風味豊かできめこまかく、しっとりとやわらかい「川島ごぼう」として長年地元で親しまれてきました。しかし、連作障害で一度作ると5年間は同じ土地で栽培できないことや収穫の掘り上げの手間がかかることから生産者は年々減少し、市場には出回らなくなりました。そこで平成28年2月、地域の宝を守るため有志が集まり「川島ごぼう研究会」を立ち上げ、復活に取り組んできました。
地域の宝の復活に欠かせないのは「多くの人をまきこむ」ということ。研究会では地域の人にも川島ごぼう復活への道を後押ししてもらうため、さまざまな取り組みを行ってきました。川島ごぼうを味わってもらうため6~7品の料理を提供する「食味会」や女子高生が川島ごぼうの収穫を体験する「鯖江市役所JK課とのコラボ企画」、「ふるさと鯖江の料理を楽しむ会」に出される料理への食材提供など活動は多岐にわたります。中でも、地元北中山小学校とは川島ごぼうのゆるキャラ作成や給食の材料としての川島ごぼう提供、小学生らの収穫体験など交流の機会を重ね、若い世代への普及活動に力を入れています。
川島ごぼうの収穫は10月末から11月中旬に最盛期を迎えます。今年は天候不順の影響もあり生産量はまだまだ少ないですが、皆さんにもぜひ一度味わって欲しいと思います。販売場所は市内Aコープですが、出荷状況に応じて販売がない場合もあります。詳しくは農林政策課(【電話】53-2232)までお問い合わせください。

◇縁の下の力持ちとして活動を支える
北中山公民館 館長 堀 正朗 さん
公民館では、まちづくりの1つとして研究会の活動を応援しています。ごぼうにはコレステロールを分解除去してくれる効果や衰えた肌の修復力を高めて肌を若返らせる効果があるといわれており、非常に体に良い食材として知られています。また、川島ごぼうの栽培(農作業)は体と頭を使うため認知症予防などにも効果が期待されているので、「北中山健康塾」の開催をはじめ、「健康な北中山」を目指している公民館としても積極的に取り組んでいます。私は研究会のメンバーでもあるので、研究会での苦労や課題も分かっています。そこで、今年はごぼう生産拡大に向け公民館として、畑がない人でも気軽に川島ごぼうに親しめるようプランターと肥料袋での栽培にも挑戦しました。各団体との調整・連携活動や市内外への情報発信など、今の私にできることで研究会の活動を支えていきたいと思います。
※川島ごぼうの栽培に興味がある人は北中山公民館(【電話】65-1001)へご連絡ください。

◇味に自信!仲間と楽しく普及活動
川島ごぼう研究会 会長 山内 進 さん
研究会のメンバーは地元の農家13人で、約100坪ほどの面積で栽培しています。私たち研究会のこだわりは「作業は全員で行う」ということ。栽培にはさまざまな工程がありますが、当番制ではなく基本的に全員で協力してすべての作業をしています。作業を共有することで連帯感も生まれますし、何より自分たちが楽しいんです。メンバーが集まると畑には話し声や笑い声が絶えず、1人、2人ではできないことも簡単にできてしまいます。もちろん企画や販売など、初めての活動に戸惑うこともありましたが、会員みんなが一致団結して奔走してきました。そして、何より大きかったのは周りのサポート。家族や地域の人、各団体など数えきれない人にお世話になりました。研究会はあっという間に3年目を迎えましたが、これまでの活動から新たな課題も見えてきました。川島ごぼうファンも着々と増えています。皆さんの期待に応えるためにも、今後も普及活動に力を入れていきます。

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〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル